BURN-Proof特別講座

 UM DoctorでおなじみのDr.Yumikaが、BURN-Proofテクノロジーに関する解説を、不定期の連載でお届けしています。
 第4回は、メディアの機械特性不良を検出し、記録エラーを防ぐ新技術「Safe-BP」についてご説明いたします。

■ 超高速記録CD-Rに求められる機能は?

 三洋電機株式会社は40倍速高速記録CD-R/RWドライブを開発するにあたり、「より高速」そして、「より安心」を開発目標としました。
  BURN-Proof技術によってユーザーはBuffer Under Run Errorから開放され、安心してディスクへ記録することが可能になりました。しかし、記録の速度が上がるにつれて、メディアの機械精度の僅かなズレが、ピックアップサーボに与える影響を無視出来なくなります。そこで、CRD-SBP15Aで開発したShock-BPを更に改善して、ハーフハイトドライブの超高速記録時における理想的な記録システム「Safe-BP」を開発いたしました。
 「Safe-BP」ではピックアップサーボをリアルタイムにモニターして、記録特性が悪化するような乱れが発生した場合に記録を停止・速度を変えて記録の再開を行なう機能です。 ディスクの特性等による、記録品位の低下や中断を気にすることなく、「安心」して高速記録を実現することが可能になります。
  では、「Safe-BP」についてご説明しましょう。

■ Safe-BPとは?

 CD-Rメディアへの記録は、記録材料の有機色素にレーザーを照射し、300度の高温で記録マーク(ピット)を焼き付けています。このレーザーは、ピックアップレンズを通してディスクの記録面に最適となるように、レンズのサーボ制御を行っています。
 CDの線速度を1.2m/secとすると、40倍速では48m/sec、実に時速180kmに相当します。
 CD-R/RWドライブはディスク上に予め刻まれた案内溝(Groove)を頼りに記録動作を行ないます。この案内溝を正確にトレースするように、ピックアップのレンズの制御(ピックアップサーボ)を行なうことが重要です。記録速度が上がるにつれ、案内溝の蛇行(トラッキング)や深さ(フォーカス)*の変化が問題となるメディアが存在します。
*一般にこのレーザー出力とディスクの記録面のフォーカスを合わせる為のレンズサーボをフォーカスサーボと呼び、ディスクに刻まれたトラックを正確に トレースする為のサーボをトラッキングサーボと呼んでい ます。

 そこで「Safe-BP」では、Shock-BPで採用したピックアップサーボの乱れを検出する回路の改良により、40倍速を超える速度においても十分な検出特性を達成しました。高速記録状態においてこのサーボの乱れを検出した場合、記録を瞬時に停止し、記録速度をシフトダウンして記録の再開を行ないます。

 CD-R/RWドライブはディスクや半導体の進歩により、高速記録が可能になりました。しかし、機械的な精度のズレを無くすことは出来ません。「Safe-BP」技術を採用することで、高速記録においても「大丈夫かな?」と思うユーザーの不安を無くし、安心して記録を行なうことができるようになりました。

 下のグラフの波形は上から記録開始信号、サーボエラー検出信号、ディスクに刻まれているATIP基準 信号、トラッキングサーボエラー信号です。 そして、上の波形の四角で囲まれた部分を拡大したのが下の波形になります。
  向かって左の波形は32倍速の記録の開始ポイントです。ディスクに予め記録されているATIP 基準信号は標準速で約13.3msec間隔となり、32倍速では13.3/32=約420μsecです。 向かって右の波形は40倍速時の記録の開始ポイントでATIP間隔は約330μsecとなります。

 さて、トラッキング波形に注目してください。エラーは判りやすいように振幅を上げて 観測しています。僅かですが40倍速のサーボエラーが増えているのが判ると思います。 測定には同じディスクを使用しています。
 これまでの32倍速ドライブでしたら問題なく記録できる状態でも、40倍速では僅かな トラッキング、フォーカスサーボのズレが記録品位に大きく影響を与えてしまいます。 もちろん、それぞれのサーボは最適な制御となるように設計されておりますが、市場のディスク全てに対応することは不可能な状況です。

 そこで、より安心して超高速記録を行なう為に、サーボの状態をリアルタイムでモニター して、サーボが破綻する前に記録を一旦停止、記録速度を落として記録の再開を行なう「Safe-BP」を開発しました。

では、サーボ乱れを検出する動作をお見せしましょう。

  今回は実験的にサーボの乱れを検出しやすい設定を行なっています。 波形中、サーボ乱れを検出した瞬間のトラッキングサーボのエラーがそれまでのレベルと比較して極僅か下がっていることが判りますか?

  40倍速の記録中でもサーボエラーを正確にモニターすることが可能になりました。 Safe-BPはこれからの超高速記録時代に向けての必須機能となるでしょう。

− Safe-BPのサーボ乱れ検出 −

 「Safe-BP」は通常のサーボ系のフィルターとは別に、専用の検出フィルターを採用して、ピックアップサーボのエラー成分の検出を行っています。また「Shock-BP」に採用したShock-Proof技術より、更に検出応答特性の改善を行なっています。 しかし、ディスクサーボの乱れは、ディスク以外にも振動や衝撃によっても同様に発生しますのでSafe-BP動作する場合があります。

 これらのディスクに起因する信号の乱れと衝撃との区別は非常に難しく、Safe-BPではこの機能を制御する特別のアプリケーションソフト(ServoContorol.exe) を用意しました。このアプリケーションを利用することにより、Safe-BPの検出レベルをユーザーが設定できるようになり、使用される状況に合わせた最適なオペ レーションを実現することが可能になるでしょう。

 三洋電機株式会社では、「Safe-BP」と同時に、メディアメーカー様と協力して機械特性の評価を行い、推奨メディアのリストを提供しています。 また、メディアメーカー様と共同でDiscの特性改善の研究も行なっております。
 「FlexSS-BP」に加えて「Safe-BP」を採用することで、よりディスクに適した高速記録を実現するCD-R/RWドライブが誕生いたしました。


以上、簡単な説明でしたが、BURN-Proofの新技術「Safe-BP」について、ご理解いただけましたでしょうか?

←第1章 「BURN-Proofのリンク部分の品位について」
←第2章 「BURN-Proofギャップゼロへの道のり」
←第3章 「衝撃に耐えうるCD-R/RWドライブの誕生」


【ご注意】 このコーナーに書かれている内容に関する技術的なご質問にはお答えできません。ご了承願います。
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